YouTubeは無料で利用できるため、誰でも1度くらいは動画を視聴したことがあるのではないでしょうか。
近年、子どもたちのなりたい職業ランキングにも『ユーチューバー』が軒並みランクインしています。
ご承知のとおり、視聴者としてYouTubeを利用していると、たいていの動画には広告が表示されます。
そのため、動画をアップして何となく広告を貼っておけば稼げるのではないかと思うかもしれません。
しかし、YouTubeである程度の収入を得るためには一定の知識と戦略が必要です。
そこで、このページでは、初心者がYouTubeで稼ぐ方法について詳しく解説していきます。
YouTubeで稼ぐユーチューバーとは?
ユーチューバー(YouTuber)とは、広い意味ではYouTubeに動画を投稿する人のことですが、一般的にはYouTubeに動画を投稿することを通じて収入を得ている人を指していると考えて良いでしょう。
YouTubeの動画に広告を掲載して収入を得る基本は「YouTubeパートナープログラム」に参加することですが、その他にもいくつか方法があります。
YouTubeで稼ぐ方法については次で詳しく解説します。
YouTubeで稼ぐ4つの仕組み
ユーチューバーが動画の投稿を通じて収入を得る方法は主に4つあります。
以下、それぞれについて解説します。
1.動画の内外に表示される広告
YouTubeを視聴していると、さまざまなところに広告が表示されます。
たとえば動画の中に表示され、5秒経つとスキップができる広告は「インストリーム広告」、動画の下に横長のバナーが表示される広告は「オーバーレイ広告」といいます。
広告は全部で5種類あり、表示されるだけで収入になるもの、クリックされると収入になるもの、一定の時間を超えて視聴されると収入になるものなどさまざまです。
多くの人がユーチューバーとして最初に収入を得る方法はこの広告です。
2.スーパーチャット(投げ銭)
ライブ配信の動画限定ですが、視聴者から「スーパーチャット」という投げ銭をしてもらうことが可能です。
動画の投稿者がスーパーチャットを設定している場合、視聴者はコメント欄でドル記号をクリックすると最高で1日500米ドル、1週間で2000米ドルまで投げ銭をすることができます。
すごい人だと累計で数億円を稼いでいるくらい、ユーチューバーにとっては大きな収入源の1つです。
購入者にとってはスーパーチャットを購入するとコメント欄で目立つので、投稿者に対してアピールできるというメリットがあります。
3.スポンサー制度
チャンネル登録者数が5万人を超えているなど一定の条件をクリアしている場合、YouTubeの月額スポンサー制度を利用することができます。
視聴者が支払うのは月額490円という手頃な金額ですが、ファンが多くついている人ならそれだけでも安定した収入源になります。
また、企業とタイアップしたPR動画を作成し、グーグルを通さずにスポンサー料を得ているユーチューバーもいます。
ただし、この形で収入を得るためにはかなりの知名度が必要です。
4.事務所に所属することで契約金や付属収入を得る
芸能人のように、事務所に所属することで契約金を受け取るユーチューバーもいます。
ユーチューバーが「事務所に入りました」と報告しているのを見たことがあるかもしれませんが、これはユーチューバーをサポートする事務所に所属したという意味です。
代表的な事務所としては、はじめしゃちょーやHIKAKINが所属する「UUUM」、ヒカルやぷろたんが所属する「VAZ」などがあります。
事務所に所属することで企業からのPR案件を受注しやすくなるなどのメリットがありますが、収入の20%程度の手数料を支払う必要があります。
日本のトップユーチューバー
ユーチューバーはトップクラスになるとかなり稼ぐことができます。
ここでは日本の代表的なユーチューバーを3人紹介していきましょう。
HIKAKIN
https://www.youtube.com/user/HikakinTV
「HikakinTV」や「HikakinGames」など複数のチャンネルを運営し、1億円を超える年収を得ていると言われている日本のトップユーチューバーです。
一般の人にもかなりの知名度があり、記事執筆時点でチャンネル登録者数は約1130万人います。
はじめしゃちょー
https://www.youtube.com/user/0214mex
「スライムで風呂を作る」、「コーラが出る蛇口を作ってみた」などのユニークな動画で中高生から絶大な支持を得ているユーチューバーです。
チャンネル登録者数は記事執筆時点で約1050万人です。
Fischer’s(フィッシャーズ)
中学時代からの友達7人で結成した「思い出系ネットパフォーマー軍団」を名乗るユーチューバーです。
UUUMに所属しており、記事執筆時点で約805万人のチャンネル登録者がいます。
世界で活躍するトップユーチューバー
世界で最も稼いでいるユーチューバーは、まさに桁違いの収入を得ています。
ここでは世界でトップクラスのユーチューバーを2人紹介します。
Ryan ToysReview
Ryan ToysReviewは、7歳(2018年12月時点)のライアン君が遊びながらおもちゃを紹介する動画です。
チャンネル登録者数は3480万人を超えており、HIKAKINやはじめしゃちょーの2倍を超えています。
収入は約25億円と言われており、まさに桁違いです。
PewDiePie
https://www.youtube.com/user/PewDiePie
フォーブズ紙が発表した「世界で最も輝くユーチューバーランキング」で1位になったこともあるPewDiePie(ピューディパイ)氏は、ゲームの実況動画で有名なユーチューバーです。
チャンネル登録者数が1億人を超えている化け物チャンネルで、収入(当時)は14億円と言われています。
実際、YouTubeでどれくらい稼げる?
トップクラスのユーチューバーが億単位の収入を得ているのに対し、一般のユーチューバーの状況は残念ながらあまり良くありません。
まず、広告を貼ることができるのはチャンネル登録者数が1000人以上、かつ総再生時間が4000時間以上でなければなりません。
そのため、この基準をクリアしていなければ1円も稼げません。
また、広告を貼れるようになったとしても、YouTubeの広告収入は1再生あたり0.02~0.03円と言われています。
そのため、稼いでいるユーチューバーとそうでないユーチューバーにはかなりの格差があると考えて良いでしょう。
YouTubeで20万円稼ぐために必要な月間再生数
前項で、YouTubeの広告収入は1再生あたり0.02~0.03円と説明しましたが、そこから計算すると単価0.02円で1000万回、0.03円でも約667万回の再生回数が必要になります。
本業でなかなか収入が伸びず、YouTubeで脱サラすることを夢見ている人もいるかと思いますが、現実は厳しいものです。
トップユーチューバーであるはじめしゃちょーの動画でも1本あたり100万回程度のものが多いので、自動的に表示される広告だけに頼り、ユーチューバーとして脱サラして食べていくというのは難易度が高いと考えたほうが良いでしょう。
ユーチューバーの年収を調べる方法
「SOCIALBLADE」(ソーシャルブレード)というサイトを使うと、ユーチューバーの年収を調べることができます。
年収と言っても、誰もが見られるデータから推測している数値にすぎないと考えられます。
そのため企業から別途スポンサー料などをもらっている有名なユーチューバーの年収は正確にはわかりません。
ただ、一般のユーチューバーがおおよそどのくらいの収入を得ているのかは知ることができます。
YouTubeで稼ぐために必要な準備
極論を言えばスマホ1つあればユーチューバーとしてデビューすることは可能ですが、お金を稼ぐとなるとその他にもあったほうが良いものがいくつかあります。
また、ユーチューバーとして動画を投稿するためにはアカウントを開設する必要があるので、そちらも含めたYouTubeで稼ぐための準備について解説していきましょう。
1.スマホ、カメラなど撮影や編集に必要な機材を用意する
動画の撮影は、最低限スマホがあれば可能です。
ただスマホのみで撮影する場合でも、スマホを固定するための三脚があると便利ですね。
三脚は小さなものなら100円ショップでも手に入ります。
余裕があるなら専用のカメラとマイク、照明を購入すると、よりしっかりした動画の撮影が可能になります。
長時間の動画撮影を行うなら大容量のメモリーカードも必要です。
動画の編集は無料のソフトでもできますが、有料のソフトを使うと文字の入力はもちろん、不要なシーンをカットするトリミング機能やトランジション、ワイプなどの機能が簡単に使えて便利です。
本気で取り組むなら早い段階でこうした機材をそろえるのがおすすめです。
2.Googleアカウントを取得する
YouTubeはグーグルのサービスなので、ユーチューバーになるためにはまずグーグルのアカウントを取得することが必要です。
無料でいくつでも取得できるので、すでに持っているなら動画投稿専用のアカウントを作っても良いでしょう。
3.YouTubeチャンネルを作る
YouTubeに動画を投稿するには「チャンネル」を作成する必要があります。
チャンネルがなければ、あなたがグーグルにアカウントを持っていることを他人に知られることはありません。
4.Google AdSenseのアカウントを開設する
YouTubeに広告を貼るためには、報酬を受け取るためのGoogle AdSenseアカウントが必要です。
YouTubeパートナープログラムへの参加が承認されており、ブログやホームページ向けのアドセンスアカウントをすでに持っている場合は、それをYouTubeに紐付けるだけで可能です。
もし、アカウントがない場合はYouTubeの動画を利用して申請する方法があります。
ブログやホームページに貼るアカウントは審査が厳しくなかなか通過できないので、こちらを利用するほうがおすすめです。
YouTubeで稼ぐために必要なスキル
稼いでいるユーチューバーは、決して思いつきで何となく動画を作成しているのではありません。
努力して、評価される動画を作成するスキルを身につけています。
ここでは稼いでいるユーチューバーに求められるスキルについて解説していきます。
1.ウケるネタを考えるアイデア・発想力
HIKAKINやはじめしゃちょーは、普通の人では思いつかないような企画の動画をたくさん投稿しています。
YouTubeには無数の動画があふれているので、他人が思いつかないような動画を考える発想力があると有利です。
2.視聴者にストレスを感じさせない動画編集力
再生回数の多い人気のチャンネルは、ムダな部分がカットされてストレスなく見られるように編集されていることが多いです。
動画はつまらないとすぐに離脱され、最後まで見てもらえません。
そのため、できるだけ長く見てもらうためにしっかりした編集をする必要があります。
3.収益化させるための構成力
YouTubeでしっかり稼ぎたいなら、マネタイズの能力も必要です。
長い目で再生回数を稼ぎ、収益をあげ続けるためには、まずチャンネルのファンを増やす必要があります。
そのため、人気動画は最後にチャンネル登録をうながすコメントが必ずと言っていいほど入っています。
また、これは難易度がやや高いですが、収益化する方法の1つに「自分の(アフィリエイト)ブログに誘導する」という方法があります。
この方法を使う場合は、動画の中でそのブログが見たくなるような構成を考えなければいけません。
4.炎上覚悟で私生活を晒せる度胸
とくに顔出しでやるなら、自分自身がタレントとなるため、それなりの度胸も必要になります。
下手に照れながら話しても、なかなか高評価は得られません。
また競合に勝つためには、競合ができないような、「そこまで見せるのか」、「そこまでやるのか」と視聴者が驚くくらいのことをやる必要があります。
ただし、炎上や身バレには注意が必要です。
再生回数が欲しいからといって内容がエスカレートすると、自分や家族に危険が及ぶこともあるので注意してください。
YouTubeで稼ぎやすいジャンルと条件
YouTubeで稼いでいる人が多いジャンルにはいくつかの特徴があります。
ここでは稼げる可能性の高いジャンルについていくつか紹介します。
1.エンタメ系
YouTubeの再生回数ランキングの上位は音楽・ダンス系の動画で占められています。
ただし、再生回数が多いのは有名人の動画であることが多く、一般の人にはあまり向いていないかもしれません。
2.子供向け動画
子供向けの動画も根強い人気があります。
先述したライアン君が出演する動画は、同年代の子どもを対象としたおもちゃの紹介動画です。
また、HIKAKINやはじめしゃちょーの動画も、中学生や高校生が主なターゲットになっています。
3.ペット・動物もの
ペットなどの動物を撮影した動画は鉄板のジャンルです。
とくに飼っている人の多い犬や猫の動画は高い人気があります。
単純に自宅でのペットの姿を撮影し、キャッチーなタイトルをつけて投稿するだけでも稼げる可能性があるので、ペットを飼っているなら挑戦する価値は十分にあるでしょう。
4.ハウツーもの
文章や写真だけでは解説が難しい、あるいは十分でないハウツー系(英語・メイク・料理・筋トレなど)のテーマは動画として需要が高いです。
動画ならではの内容が撮影できると再生回数が伸びます。
5.ゲーム系
ゲームのプレイ動画もYouTube配信としては鉄板ネタですね。
プロゲーマーがプレイしている映像を見たいというニーズはかなり強いです。
近年は「eスポーツ」という競技(大勢から鑑賞される場で対戦ゲームの勝負を行うこと)も盛んになってきているので、ゲームが得意ならプレイしている様子を見せるだけで稼げる可能性があります。
またゲームがそこまで上手くなくても、トークやリアクションが面白い場合は人気が出ることもあります。
6.言葉に頼らない動画は、世界中で再生される
YouTubeの利用者は世界中にいます。
そのため、言葉がわからなくても楽しめる動画は世界中で視聴される可能性があり、再生回数を大きく伸ばせるかもしれません。
世界中の人に見てもらう動画を作りたいと考えるのであれば、なるべく言葉がわからなくても問題がないように意識して企画を立てましょう。
YouTubeでやってはいけないこと
YouTubeを利用するうえでは、絶対にやってはいけないことがいくつかあります。
ユーチューバーになるなら知っておく必要があるので、始める前に確認しておきましょう。
1.著作権侵害
YouTubeに限った話ではありませんが、他人の著作権を侵害するような動画の投稿はしてはいけません。
たとえばテレビの番組を録画し、自身の動画として投稿するような行為です。
YouTubeは視聴者が著作権侵害を見つけた場合に通報する仕組みが用意されていますし、著作権を侵害していると判断されると、特定の地域で動画が閲覧できないようにされることもあります。
また、強制的に広告が表示され、その収益が著作権者に入る仕組みもあります。
著作権を侵害した動画を投稿するとリスクが高いわりにメリットは少ないので、きちんと自分で作成した動画を投稿するようにしましょう。
2.迷惑行為
YouTubeに他人が見て不快に感じる動画、有害なコンテンツ、暴力的なコンテンツを投稿することはガイドラインで禁じられています。
迷惑なコンテンツだと判断されると通報されてアカウントが停止になるリスクもあります。
また最近は、迷惑動画がSNSで晒されて批判を受ける事例も多いですね。
ウケを狙って炎上するリスクのある投稿をするなら、十分に注意してください。
3.エロ・アダルトコンテンツの配信
YouTubeでは不快なコンテンツや有害なコンテンツのほか、ポルノや性的なコンテンツについても許可していません。
いわゆる成人向けのコンテンツだけでなく、性に関する真面目な内容であっても該当する可能性があります。
その線引きはあいまいなところがあるので、こうしたジャンルの動画を投稿するなら慣れてからのほうが良いでしょう。
YouTubeで再生回数を稼ぐための4つの秘訣
再生回数を伸ばすためにはがむしゃらに動画を投稿するだけでなく、工夫が大事です。
ここでは投稿した動画の再生回数を伸ばすために役立つ4つの方法を解説します。
1.Twitterなど、SNSを活用する
本気でユーチューバーとして活動するなら、TwitterやFacebookなどのSNSも積極的に活用しましょう。
こまめにこうしたSNSで紹介しても目立った効果を感じることは少ないでしょうが、何かの拍子でバズり、一気にチャンネル登録者数が増えることもあります。
2.動画タイトルや説明文について検索対策をする
グーグルやヤフーの検索を利用していると、キーワードによってはYouTubeの動画が検索結果に出てくることがあります。
こうした検索で上位に来るためには、動画のタイトルや説明文に、動画を見たいと考える人が使いそうなキーワードを入れておくのが効果的です。
3.動画の更新頻度を上げる。定期更新にする
チャンネル登録者数を増やすためには動画の更新頻度を上げることが効果的です。
できれば、週に3回などと回数を決めて定期的に更新するのが良いです。
ただし、つまらない動画を定期的に更新しても意味がないので、動画作成に慣れてどのような動画が支持されるのかがわかってから実行するのがおすすめです。
4.関連する人気動画のリンクを貼る
YouTubeの動画では、他の動画やサイトへのリンクが表示されることがあります。
動画の途中で表示されるのが「カード」、動画の終わりに表示されるのが「アノテーション」です。
その動画を見てくれた人が興味を持ってくれそうな動画が他にあれば、その動画へのリンクを設定することで再生回数を伸ばすことができます。
まとめ:まだまだYouTubeで稼げる!
今回はYouTubeで稼ぐ方法について詳しく解説をしてきました。
何となく撮影した動画を投稿し、そこに広告を貼っておけばお金が入るという時代は終わりました。
競合が増えたことで、稼ぐためには斬新なアイディアやマネタイズのスキルが必要になっています。
しかし、スーパーチャットや月額課金のスポンサー制度など、ユーチューバーを支援する仕組みが次々と取り入れられていることからも、まだ十分にチャンスはあります。
そのため、面白い動画を作ることができれば、今後もユーチューバーとして稼ぐことは決して不可能ではないでしょう。
どんなツールでも稼ぐ人は稼ぐ一方で、稼げない人は何をしても稼げないものです。
YouTubeで稼ごうと決めたのであれば、とことんこだわって取り組んでみてください。