ネットで調べ物をしていて、同じ人物(の画像)を複数のサイトで見かけた経験はありませんか?
そうした人たちは「フリー素材モデル」である可能性が高いです。
フリー素材モデルの画像はお金を払わず自由に利用できるので、中には「あれ?またこの人?」と思うくらい頻繁に目にする人もいるというわけです。
このページではフリー素材になる方法や、フリー素材になるとどれくらい稼げるかなどについて紹介します。
フリー素材モデルとは。フリーなのになぜ報酬をもらえるの?
フリー素材モデルとは、その名のとおり一般の人が無料で利用できるフリー素材サイトに画像を提供しているモデルをいいます。
フリー素材サイトとして有名なものは「ぱくたそ」「写真AC」「PIXTA」「Pixabay」などが挙げられます。
利用者がお金を払わないのにどうやって運営しているのかというと、サイト内に掲載した広告から広告収入を得たり、企業とコラボ企画をして企画料を受け取ったりしてマネタイズします。
モデルに対する報酬はそこから支払うのです。
フリー素材サイトはモデルを募集しているところもあるので、こうした募集に応募すればフリー素材となって収入を得ることができます。
ただしモデルを募集していないところも多く、そうした場合はすでに撮影済みの写真を募集して掲載しています。
有名なフリー素材モデル・3例
ここでは、みなさんが何度も目にしたことがあるのではないかと考えられる有名なフリー素材モデルを3人、紹介します。
いずれも「ぱくたそ」に登録している人たちです。
1.大川竜弥さん
「ぱくたそ」には2019年1月現在で1500枚以上の画像が掲載されています。
フリー素材モデルとして最も知名度があると言っても差し支えないのが大川さんです。
もともと「フリー素材モデル」という概念がなかった頃に名乗り始め、今の状況を作ったパイオニア的存在です。
モデル業のほかに司会業や俳優業なども行っています。
2.河村友歌さん
「ぱくたそ」には2019年1月現在で800枚以上の画像が掲載されており、女子高生姿の画像が人気です。
河村さんはもともと大学入学時からSNSを利用してモデル活動をしていましたが、「ぱくたそ」の運営者から誘われたことがきっかけでフリー素材モデルとしての活動も始めました。
モデル業を本業にしたいという気持ちはないものの、フリー素材モデルは長く続けたいとのことです。
3.茜さやさん
「ぱくたそ」には2019年1月現在で約240枚の画像が掲載されています。
アイドルになるため地元・広島から上京し、現在はフリーランスとして特定の事務所に所属せず活動しています。
フリー素材モデルはその活動の1つです。
「ぱくたそ」に掲載されている写真を見たという企業から声がかかることも多いとのことです。
フリー素材はどのくらい稼げる? 企画1つで30万円という例も
フリー素材モデルとして紹介したモデルさんはいずれも「ぱくたそ」に素材を提供していますが、「ぱくたそ」はモデルに支払っているギャラを公開していません(無報酬ではないようです)。
そのため、「ぱくたそ」のモデルになるとどのくらいの報酬が得られるかは不明ですが、大川さんはインタビューにて、フリー素材モデルとしての収入を月5~20万円程度と回答しています。
この収入は素材を提供した対価だけでなく、企業のキャンペーンサイトに対する素材の提供料、PR動画への出演料、テレビ番組への出演料などすべて含めてのようです。
また、河村さんは報酬が高額な例として、企業がPR活動を行うにあたって起用されると数万円~30万円程度の報酬を出演料として受け取れるとインタビューで回答しています。
副業として行うならこれでも十分な収入かもしれませんが、あくまでこれはフリー素材モデルとして高い知名度を誇る2人の数字です。
そのため、彼らよりも知名度の劣る人が同程度の報酬を得ているとは考えにくいでしょう。
フリー素材の募集例と報酬
フリー素材の募集例はとても数が少ないのですが、以下に2つほど例を挙げておきます。
1.ビジトリーフォト
ビジトリーフォトは、人物写真のフリー素材を提供するサイトです。
募集しているのは18歳~30歳くらいまでの日本人女性で、太りすぎていない人が対象です。
撮影時間は朝9時~17時くらいまでで、報酬は3万円+交通費です。ヌード撮影がOKならさらに3万円がプラスされます。
撮影場所は新宿の高田馬場で、交通費の上限は3万円なので遠方からでも応募しやすいです。
2.Luff & Piece
Luff & Pieceは六本木のヘアメイク&フォトスタジオ「Luff」が運営する、人物に特化した無料ストックフォトサイトです。
男女ともに募集しており、ギャラは撮影内容によって3000円~3万円まで幅があります。
単発ではなく継続して仕事を受けるのが前提で、仕事をするには書類選考や面接、カメラテストを受けることが必要になります。
少し本格的にモデルらしい活動をしたいなら向いているかもしれません。
フリー素材になるメリット。お金よりも知名度
フリー素材になるメリットは、お金よりも知名度です。
すでに説明してきたとおり、トップクラスの知名度があってもそれだけで大きく稼げる仕事ではありません。
副業として月5万円程度の収入を目指しているとしても、安定した収入にするのはやや難しいと考えられます。
しかし、キャラが立っていれば美男美女でなくても利用される可能性があります。
タレントや俳優になりたい人だったり、芸能界に入りたいわけではないものの、ちょっとした有名人になってみたかったりする人ならチャンスを得る機会として利用できるでしょう。
フリー素材になるデメリット。売れ過ぎると困る
フリー素材として知名度が上がれば予想していたよりも多くの媒体で利用される反面、予期していない使われ方をすることもあるでしょう。
そのため偶然、自分の画像を見て嫌な気分になることがあるかもしれません。
また、副業として行う場合は本業に何らかの悪影響が出ることも考えられます。
大きな会社なら社内で知られてしまい、フリー素材モデルという職業を理解できない上司に悪印象を持たれるかもしれません。
有料画像サイトの被写体になって稼ぐ方法も
フリー素材モデルになるデメリットについて前項で説明しましたが、お金が欲しいというだけならフリー素材を選ぶ理由はあまりないでしょう。
事前に想像できないほど知られてしまうリスクもあるので、単に稼ぎたいだけなら普通のモデルとしての募集に応じて報酬を受け取るほうが良いと言えます。
素材提供サイトは有料のところも多いので、そうしたサイトで募集しているものを探して応募しましょう。
まとめ:フリー素材モデルは知名度を上げたい人向け
以上で説明してきたとおり、フリー素材モデルという仕事は副業としてあまりおすすめできるものではありません。
しかし、「無料」というパワーはとても強いです。
そのため、フリー素材モデルになることで直接高額な報酬を受け取ることができなくても、たまたまクリエイターの目にとまって起用されるチャンスがないとは言えません。
モデルとしての対価を得られなくても問題ない人や、もっと大きな仕事をするためのきっかけにしたい人など、お金以外の目的を持っている人がフリー素材モデルに向いていると言えるでしょう。