子どもの頃、山でクワガタを採って飼った経験のある人も多いのではないでしょうか。
クワガタはヤフオクやAmazonなどでも売られており、自分で捕まえたり育てたりしたクワガタを売ることが副業として成立する環境が整っています。
このページではクワガタを売ることを副業にしたい人のために、どのようなクワガタが売れるのか、どのくらい稼げるのかなどについて解説します。
クワガタの販売がなぜ副業になる?
ペットショップやホームセンターなどの店舗でクワガタが売られていることは珍しくありませんが、Amazonやヤフオクでも多くの出品があります。
クワガタは種類によって寿命に大きな違いがありますが、中でもオオクワガタは通常2~3年、長ければ4~5年程度もあり、うまくいけば長く飼育を楽しむことができるため人気があります。
また、産卵させて数を増やすこともできるため、個人でも数多くのクワガタを飼育する環境が用意できるなら、クワガタを売ることを副業にできるのです。
クワガタの相場を決定する要素は何?
クワガタの相場を決める要素はいくつかあります。それは主にクワガタの種類、血統、大きさの3点です。
種類についてはオオクワガタが一番、人気があります。他にもノコギリクワガタ、ツヤクワガタ、ミヤマクワガタなどさまざまな種類があります。
ヤフオクで落札相場を調べるとペアで500~5000円程度となっているものが多いですが、1万円を超える価格で取引がされていることも時々あります。
クワガタにも犬や猫のような「血統」があります。
理想的な形をした個体が生まれて人気が出るとそれが1つの「血統」として扱われ、その下の世代も高値で取引されるようです。
また、サイズはクワガタの価格に大きな影響を与えます。
ある業者のホームページでは、オオクワガタの大きさごとに以下のような値段がつけられていました。
オオクワガタの価格はこのように1ミリ単位で変わってきます。
- 50~59ミリ 3200円
- 60~64ミリ 4200円
- 65~67ミリ 4900円
- 68~69ミリ 5800円
- 70~71ミリ 6800円
- 72~73ミリ 7800円
- 74ミリ 8900円
- 75ミリ 9800円
- 76ミリ 1万800円
- 77ミリ 1万2800円
クワガタはどこで売れる?
Amazonやヤフーでは多数のクワガタが出品されているので、これらを通じて売ることが可能です。
Amazonで売る場合は定額での販売になりますが、ヤフオクはオークションなので、予想よりも高値で売れることもあればその逆もあります。
なお、メルカリは生き物の出品が禁止されているので売ることができません。
また、ネットで検索すれば業者で買い取りを行っているところを見つけることができるので、こうした業者に売ることも可能です。
クワガタを入手する方法
クワガタを入手する方法は、主に以下の3つです。
- 成虫を自分で捕まえる
- 海外から輸入する
- 幼虫から育てる
成虫を自分で捕まえる
クワガタは雑木林に生息していることが多いので、現地に出向くことができるなら採集するのが基本でしょう。
クワガタの採集は6月~9月くらいが適しており、平地に生えているクヌギ、ヤナギ、ナラなどの樹によくみられます。
クワガタを捕まえるときは枝などにつかまっている個体を直接手でつかんで捕まえる方法もありますが、木を蹴って落とす方法もあります。
夜間に採集するなら街灯や自動販売機などの明かりに集まるクワガタを狙う方法もあります。
海外から輸入する
クワガタは海外から輸入することもできるので、輸入したものをネットで売れば、海外から買うのが面倒な人やそれができない人に対し、仕入れ値より高い価格で売ることができるでしょう。
ただし、後述しますが輸入が禁止されている種もあるので注意してください。
幼虫から育てる
クワガタはペットショップやヤフオクなどを通じて幼虫を購入し、それを育てて売ることができます。
また、クワガタは30~50個程度の卵を産むので、それを育てる環境あれば継続して売ることができます。
クワガタは大きな個体ほど高く売れますが、その大きさを決めるのは幼虫のときの育て方です。
育て方のコツがつかめれば利益も出しやすくなるでしょう。
自分で育てるなら「菌糸ビン」を使おう
クワガタを育てて売ることに興味があるなら「菌糸ビン」について知っておきましょう。
菌糸ビンとは粉砕した広葉樹にキノコ菌を植え、リグニン(木の成分の1つ)を分解させて幼虫が食べやすいエサにしたもので、キノコを栽培するものと基本的に同じです。
菌糸ビンを使用すると大型の個体を育てやすく、また成長のスピードが早くなるというメリットがあります。
そのため、クワガタを売ることを副業にしたいなら利用すべきツールと言えます。
なお、菌糸ビンにはヒラタケ系とカワラ系の2種類がありますが、オオクワガタを育てるならヒラタケ系を使用するのがおすすめです。
3カ月に1度程度の交換が必要で、成虫になるまでに3~4本の菌糸ビンが必要になります。
クワガタを売るなら知っておくべき法律について
動物を販売するときは動物取扱業の登録が必要になりますが、昆虫類は対象外なのでクワガタは関係ありません。
そのため誰でも売ることができます。
ただし、希少野生動植物に指定されているクワガタを売ると、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称「種の保存法」)違反になります。
種の保存法では、国内に生息・生育する、又は、外国産の希少な野生生物を保全するために必要な措置を定めています。
引用元:環境省 種の保存法の概要
「レッドリスト」に掲載されている種については「販売・頒布目的の陳列・広告、譲渡し、捕獲・採取、殺傷・損傷、輸出入等」が禁止されているのです。
昆虫類は44種が対象となっており、クワガタムシ科では鹿児島や沖縄に生息するマルバネクワガタ3種(ヨナグニマルバネクワガタ、オキナワマルバネクワガタ、ウケジママルバネクワガタ)が対象となっています。
個人が違法な譲渡を行うと5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科せられます。クワガタを売っただけでこんなに重い罪になるというのは驚きですね。
海外から仕入れるのが禁止されているクワガタも
2018年1月から一部の外国産クワガタが「特定外来生物」に指定され、輸入、販売、飼育、譲り渡し、野外に放すことなどが原則として禁止されています。
植物防疫法では、我が国の農作物や樹木などの植物を守るため、これらを害する昆虫・微生物など(検疫有害動植物)を外国から日本に持ち込むことを禁止しています。
引用元:環境省 植物防疫所
対象となっているのはクワガタムシ科マルバネクワガタ属のうち、アングラートゥスマルバネクワガタ、バラデバマルバネクワガタ、ギガンテウスマルバネクワガタなど10種類です。
この規制は国内のマルバネクワガタを保護するのが理由です。
外国産が国内に入ると日本固有の種の住処や食べ物を奪ったり、雑種を作る、病気を広めたりするなどの問題が起きるからです。
違反すると、個人の場合は最大で3年の懲役または300万円の罰金が科せられることになるので注意しましょう。
まとめ:クワガタを育てるのが好きならありかも
かつて1000万円という破格の値をつけたことのあるクワガタですが、今はごく常識的な金額に落ち着いています。
クワガタは生き物なので管理に手間がかかるため、たくさん売るには限界があります。そのため、クワガタを売って一攫千金を狙うのはもちろん、まとまった金額を稼ぐのは難しいでしょう。
クワガタが好きな人なら大きな個体を育てて高値で売ることにロマンを感じられるかもしれませんが、そうでない人は他の副業を探したほうが良いでしょう。